国連の締約国会議のサイドイベント報告 【WIN共同声明】の発信
国連の締約国会議のサイドイベント報告
【WIN共同声明】の発信
6月14日(月)、国連障害者の権利条約の第14回締約国会議で、WINとして初めてサイドイベントをウェビナーで開催しました!
WINは2017年の設立依頼、2-3ヶ月に1回の【WIN世界役員会議】を続けてきました。 これまで各国のIL運動の発展について情報交換をし、またコロナ禍で世界の障害者が直面した共通の課題についても各国の状況を報告し合い、コロナ禍での声明も出してきました。
今回のサイドイベントはヨーロッパIL協議会(ENIL)のリーダーシップで、WINとして初めてイベントを企画し、世界で連結して脱施設化を進め、権利条約19条及び一般的意見5の実施を目指していくため、【WIN共同声明】を発信しました。
サイドイベントでは、JCILの大藪光俊さんが日本代表として報告をしてくださり、イベントの終わりにはWINの世界役員と一緒に【WIN共同声明】を読み上げました。
★このサイドイベントのビデオ・報告はENILのホームページから閲覧可能です。
https://enil.eu/news/win-calls-for-global-independent-living-movement-to-play-a-role-in-covid-recovery/
写真①:ZOOMスクリーン(WIN世界役員と大藪さん、ジュディ・ヒューマン、権利委員会のアマリアさん、韓国のチャノさん、NCIL代表サラさん、 ENILジェイミーさんと国際手話通訳)
写真②:国連障害者特別報告官ジェラルドクイン氏はビデオメッセージで参加。
WINサイドイベントレポート
JCIL 大藪光俊
京都にある日本自立生活センター(JCIL)で当事者スタッフとして活動している大藪光俊です。
去る6月14日、国連ニューヨークで行われた障害者権利条約締約国会議のサイドイベントにて、日本のスピーカーとして登壇させていただきました。
今回のサイドイベントは、WIN [World Independent Living Center Network] が主催したもので、アジア・北米・中米・ヨーロッパから活動家が集まり、各地の状況を報告しました。
世界的にコロナ禍が広がり、施設入所を強いられている多くの障害者が集団感染で命を落としたり、十分なヘルスケアを受けられない障害者がたくさん生み出されてしまいました。障害者を弱い存在と見なし、医療モデル的な障害の捉え方にこの世界が逆戻りしてしまう危険性が謳われています。コロナ禍から世界が立ち直りつつある今だからこそ、改めて障害者権利条約第19条の実現に向けて、世界規模で脱施設に向けた自立生活運動の推進の重要性が確認されました。
私も日本代表として3分間のスピーチをさせていただいたのですが、自身が今中心的に関わっている「筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト」の取り組みについて紹介しました。日本全国で重度訪問介護による24時間介助保障が認められているのに、未だに筋ジス病棟には2000人もの人たちが収容されている。しかも、コロナ禍以降、誰も病院の中に立ち入ることができず、入所者の人たちは1年以上にわたって愛する家族や支援者にすら会えない状況に置かれています。私自身はたまたま生まれた時から地域で暮らし続けてきましたが、筋ジス病棟に入ってそのまま一生を終えていた可能性も十二分にあります。だからこそ、みんなに地域に出て欲しい、そんな思いを伝えさせていただきました。
当日は世界で活躍する障害者運動の活動家たちを前に、また自立生活運動を牽引するジュディ・ヒューマンを前にして相当緊張しましたが、私たちの活動を世界にアピールできたことは本当に嬉しく光栄でした。また、各国で脱施設の取り組みの重要性が共有されているということを実感できて、これからも粘り強く、日本の脱施設化に向けて着実に運動を展開していきたい、そんな思いを新たにさせられたひと時でした。本当にありがとうございました!
写真③: JCIL藪光俊がスピーチしているところ。
(スクリーン右側に大藪さん、左側に国際手話)
写真④:サイドイベント終わりに、WINメンバーが【共同声明】を読んだ。 (スクリーンはWIN役員と大藪さん、ジュディと権利委員会のアマリア氏+国際手話通訳)