自立生活センターとは
自立生活センターは、自立生活の理念を実現させる最も有効な手段として、サービス事業体であると同時に運動体という形態をとっています。
経緯
かつて障害者を援けられるのは医者、OT、PT、カウンセラー等専門家だけだと考えられてきました。しかし1972年カリフォルニア州バークレーに障害者が運営し、障害者にサービスを提供する”自立生活センター”が設立されました。
自立生活センターが提供するサービスを利用することにより、重度の障害があっても地域で自立して生活することが可能となりました。
自立生活センターのシステム
人材養成のお手伝い
自立生活センターで働くスタッフの養成を援助します。
ノウハウの提供
研修生の受け入れ、講師派遣、マニュアルの発行、研修会の開催等。
情報交換と交流
機関紙、「情報版」の発行、委員会・交流会の開催。
注: 自立生活センターが提供している個々のサービスについては、サービス別に設立された委員会を中心にノウハウの提供と情報交換が行われています。(組織案内参照)
運動体であり事業体である歴史上初めての組織
自立生活センターは、運営委員の過半数と事業実施責任者が障害者である、という利用者のニーズが運営の基本となるシステムを持っています。
その理由は、能率や効率を重視するこの社会の中で、ともすれば忘れられがちなハンディをもつ人たちの権利を、組織の利益よりも優先させる方法として最も優れているからです。
重度の障害者が暮らしやすい社会は、誰にとっても暮らしやすいわけですが、その人たちが暮らすためには良いサービスがその地域に存在している必要があります。
しかし良いサービスは、黙っていたのではできません。その必要性のある人が行政に訴えていくこと(ニーズの顕在化)と、そのサービスを提供できる事業体をわれわれ自身の手で作り上げる方法が近道です。そしてその事業体を行政が支援することが最も効率の良い方法です。
障害者自身がサービスの利用者から担い手に代わっていくことが、最も良い社会サービスを提供していく最良の手段であることは明らかです。
事実、世界中で事業体としての自立生活センターがあり、運動のあるところでは、決まって最上の社会サービスが提供されています。
JILが考える自立生活センターとは(会員要件)
全国自立生活センター協議会の正会員となる団体は、以下の5つの条件を満たすことです。
- 意思決定機関の責任および実施機関の責任者が障害者であること。
- 意思決定機関の構成員の過半数が障害者であること。
- 権利擁護と情報提供を基本サービスとし、且つ次の四つのサービスのうち二つ以上を不特定多数に提供していること。
・介助サービス
・ピア・カウンセリング
・住宅サービス
・自立生活プログラム - 会費の納入が可能なこと。
- 障害種別を問わずサービスを提供していること。