障害者自立支援法というのは、内容的には自立阻害法だと思います。もともと支援法の精神というのは、施設から地域へということと障害者本人が自己選択をして自己決定をするというそこが非常に大事な点だったのですね。
今度の法案の中で言いますとまずその自己決定権がどれほどあるのか、ということになると審査会のところで審査されて上限決定されてしまうというのは、自己決定ではなくなる訳です。行政決定になってしまうという心配があります。それから「施設から地域へ」とか、あるいは「家族からの自立」というような方向で考えると、どうもこれだけ負担ができなければ、応益負担に変わりますから地域で生活するのは難しいといって、また施設に戻ってしまったり、今度の皆さんの(要望の)中にありましたようにグループホームの再編ということで重度者は重度者だけ集めるとか、というのはもともと政策的にいうとおかしな話なのでいろいろな障害がある人や障害のない人とか、あるいは身体障害の人も精神障害の人も一緒に生活できるということが本来の方向性だと思います。区別して人数が従来よりも増えるという可能性があります。4、5人でというのではなく、20人も30人もなれば施設とどこが違うのかということになってしまう訳です。そういうところが非常に問題の1つですね。
各団体からのヒアリングを10月からずっとやってきまして、1つは移動介護の問題で地域で生活するというのは、地域の中で移動できるということが原則ですから、地域でといっても家の中でこもったままで外に出られないというのではなんで「施設から地域へ」ということにはならないので、やはり問題は移動介護のところをできるだけ個別給付にしていくということと、負担のところの問題ですね。これが基本的に大きな問題だというふうに思っています。
障害者基本法からずーっと今日まで積み重ねてきていた障害者運動で獲得くしてきたものというのがある訳で、それは1つは、支援費ということになった訳ですけども、もっぱら財政的な口実と財政的な給付を減らすということだけでこういう法律ができたということは、非常に残念だと思っています。
ただ私ども野党の立場からいいますと、じゃあこれ反対ということだけで国会闘争を展開して良いのかと、できるだけ障害者の人たちの負担を軽くするとか、地域で生活する環境整備するとかいうようなことをどうやって獲得していくのか、悩んでいるところでありまして、介護保険の時も賛否両論がいろいろあった訳なんですが、最後に賛成して少し取るものをちゃんと取って、サービスを受けている人たちの負担をできるだけ軽くするということで結論する方向にしたのですけれども、連休明けで審議が始まり、党としては、できるだけ方向性だけは決めようと思っています。
障害者団体もほとんどの障害者団体と話をしてきていまして、今もいろいろパイプを持ちながらやっていますので、そういう皆さんとも、自立生活センターの皆さんも含めてですが、いろいろ相談しながら国会の議論と国会の方向性、どうするのかということを決めていきたいというふうに思っています。
皆さんの方も国会で、ぜひこういう点を明らかにして頂きたいという点があれば、まとめて言って頂ければと思います。 |