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そのとき、被災障害者は・・・~取り残された人々の3・11~
震災死亡率が二倍とされる障害者。その当事者と家族、支援者の証言から、障害者たちの避難の実態と試行錯誤の支援の様子を鮮明に描く。東日本大震災から4年、いまだに被災のただ中で生きている人々の声を綴る。
「逃げ遅れる人々」(DVD)に続き、「その時被災障害者は…」(書籍)ができました。この書籍では、被災障害者とその家族・支援者の証言から、障害者たちの避難の実態と試行錯誤の支援の様子が鮮明に描かれております。
被災地の障害者たちは、「尊厳のある避難生活を」と訴えています。このことばから、どれだけ人間としての尊厳が踏みにじられた避難生活だったのか想像できました。救援活動の記録として作られた「逃げ遅れる人々」(DVD)ができると、予想以上に反響がありました。
みなさん災害時の障害者の実態を知り、そして危機感をもって防災を意識し始めました。「予想できないこと」に対し、今からできることを考え始めたのだと思います。
DVDを見られた方たちからの感想を聞いて、さらに障害者たちの3.11を伝えたいと思いました。そんな思いを、いのちのことば社さんが受け止めてくださることになりました。こうしてこの本が、出版されることになりました。つらい苦しい体験をあえて語っていただきました。
思い起したくない体験をお願いして綴っていただきました。私たちが学ぶべきものがたくさん詰まっています。この3月に発売されたばかりです
是非、是非、手にとって読んでいただきたいと思います。お勧めです。
目次
はじめに
Ⅰ 震災をいかに生き延びたか-被災障害者たちの証言-
Ⅱ なにが求められるのか-被災障害者への支援-
Ⅲ 終わらない震災
おわりに
当事者主権
『当事者主権』」発刊に寄せて JIL代表 中西正司
自立生活センターは、福祉業界の中では、ここ5、6年、知らない人は少なくなってきたが、一般社会の中ではまだまだ知られていない。自立生活運動が達成してきたことは他の患者団体、女性団体など、当事者団体の中でもモデルになるような組織運営方法、行政を動かす具体的な戦略、戦術などがあり、このことを社会の中で共有していくことが必要であるということを、「JIL将来委員会」という今後の十年の運動をどのように進めていくかを検討する会議を開いたおり、参加してくださった社会学者の上野千鶴子さんと話し合いの中で気づかされた。
JILの果たしてきたことは、重度障害者が自信を持って地域で介助を受けながら暮らすことができ、移動し、社会参加することが出来るような街であり、社会であった。これらの目標がほぼ達成された今、知的障害者や精神障害者にもこれらのサービスが享受されるように、そして我々が、未だに変えることが出来ない教育や就労の面での差別や偏見を取り除いていくことが次の目標となる。
これらの目標を達成させるためには従来、自立生活センターが行ってきた手法では足らないとつねづね感じており、一般市民の幅広い理解を得ることが次の目標達成の鍵と考えた。その第一歩として、「当事者エンパワメント・ネットワーク」による全国十箇所連続シンポジウムがあり、そこで説明しきれない部分をもっとも広く国民に読まれる出版メディアである岩波新書として発表出来ることは夢であった。
特に、介護保険への障害者の組み込みが声高くマスコミで訴えられている中で、障害と高齢は異なるニーズを持ち、自立の理念でも全く異なること、さらに障害当事者がこの三十年間築き上げてきた地域で暮らしていけるだけのサービス供給実態を国民に伝え、そして支援費制度という我々が理想として掲げてきたダイレクトペイメントやセルフマネジドケアを可能にするシステムを高齢者とともに共有化していくという道筋を国民に理解してもらうことが今どうしても必要だと考え、この本の執筆を思い立った。
いつも革新的な論文を書かれる上野千鶴子さんしか、このような大胆なチャレンジを受け入れてくれる人はいないと思い、将来委員会の委員として、参加をお願いしたところ快諾されたばかりか、執筆、出版についても、あくまでもサポートに回る形で当事者支援をしていただいたことに、深く感謝している。本書がきっと社会を変えるきっかけになると私も上野さんも楽観的に信じている。
発行 | 当事者主権(岩波書店) 中西正司・上野千鶴子著 |
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定価 | 700円 |
サイズ | 単行本 |
備考 |
「自立生活運動と障害文化」~当事者からの福祉論~
障害学の基本文献。障害者自身による社会変革・制度改革運動の歴史の集大成。1960年代から21世紀に。青い芝の会、障害者解放動、自立生活運動など、障害者運動を担った29人、15団体の記録。(書籍帯より)
目次
- 団体編
- 日本の自立生活運動史 (全国自立生活センター協議会・樋口恵子)
- 自立生活センターの誕生 (ヒューマンケア協会・中西正司)
- おやじのひとりごと (メインストリーム協会・廉田俊二)
- 名古屋の「愛の実行運動」の軌跡 (AJU車いすセンター・山田昭義)
- 自立生活センター米子の七年間 (自立生活センター米子・光岡芳晶)
- 工業で栄え、療育の盛んな街にある自立生活センターとして (北九州自立生活センター・林 芳江)
- 自立生活センターさっぽろのあゆみとこれから (自立生活センターさっぽろ・佐藤きみよ)
- 新潟市における障害者の運動の歴史 (自立生活支援センター新潟・篠田 隆)
- 視労協がやってきたこと、考えたこと (視覚障害者労働問題協議会・宮 昭夫)
- 関西視覚障害者運動私史–三氏就労闘争を中心に (視覚障害者労働フォーラム・三上 洋)
- 聴覚障害者の運動史 (全国聴覚障害者連絡会議・永井 哲)
- 全国「精神病」者集団の闘い (全国「精神病」者集団・長野英子)
- YES。セルフヘルプを生きる–ぜんせいれんの歩みを振り返って (全国精神障害者団体連合会・加藤真規子)
- 障害者としてではなく、「まず第一に人間として」 (ピープルファーストはなしあおう会)
- 施設はあかん。お金を自分の好きに使えるのがほんまの自立 (ピープルファースト大会大阪実行委員会・生田 進)
- 個人編
- 小山内美智子…二三年間の札幌いちご会の運動
- 我妻 武…楽しみながらネットワークを
- 白石清春…闘争の青春を謳歌しました
- 鈴木絹江…「障害者は生きているのが仕事だ」ってね
- 二日市 安…やれるときに、やれるだけのことを
- 近藤秀夫…車いすバスケットボールとジャスティン・ダートとの出会い
- 寺田純一…「青い芝」と四三年
- 新田 勲…障害者に生まれて幸福だったと自分を偽るな。本音で生きろ!
- 三澤 了…同じ頸損仲間の運動から、障害種別・国境を超えたDPIの運動へ
- 荒木義昭…いろいろやってきた結果として今がある
- 若林克彦…「必ず日本の介護は問題になる」–三〇年前に俺たちが予想したとおりになった
- 遠藤 滋…愚かだったからこそ、いま、自分がいとおしい
- 高橋 修…引けないな。引いたら、自分は何のために、一九八一年から
- 横山晃久…不屈な障害者運動–新たな障害者運動を目指して
- 横田 弘…やっぱり障害者が生きていることは当たり前じゃない
- 内田みどり…障害者であり、女であることの狭間で
- 平井誠一…相手にされなかった時代から現在の若者へ託す志!!
- 牧口一二…時の流れに身をまかせ……なんてね
- 定藤丈弘…定藤丈弘の残したもの
- 楠 敏雄…私の障害者解放運動史
- 森 修…障害者として生きるということ
- 入部香代子…障害者として生きることを死ぬまで追い求めて
- 森本秀治…共同連と私
- 澤田隆司・福永年久…座談会・兵庫の「武者」たち大いに語る
- 田部正行…自分自身のための運動
- 古井正代…CPとして生きるっておもしろい!
- 中山善人…僕自身が考えて、運動を組み立ててきたこの二八年間
- 古賀稔章…一つの社会、青い芝の会との出会い
- シンポジウム・自立生活運動の二十一世紀への展望 (大熊由紀子・北野誠一・中西正司・仲村優一)
- 資料
- 全国自立生活センター協議会加盟団体一覧
- 戦後障害者運動史年表(杉本 章)
- 参考文献・論文
発行 | 全国自立生活センター協議会 発売:現代書館 |
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定価 | 3,500円 (加盟団体 2,800円) |
サイズ | A5判 |
備考 |
障害者差別禁止法・条例学習会テキスト
目次
1.なぜ、差別禁止法が必要なかの?
2.障害とはなにか?
3.差別とは何か?
4.国連障害者の権利条約
5.国内法を作るために
6.条例づくりの取り組み 地方から国へ
障害者差別禁止条例をつくる会 活動イメージ
事例整理の様式
国連条約の批准や差別禁止法(国内法)の必要性を、障害とは何か、差別とは何か丁寧に説明しながら、わかりやすく解説しています。A4サイズ16ページのPDFファイルです。写真をクリックするとPDFファイルへジャンプします。
写真をクリックするとPDFへジャンプします
障害者差別禁止法・条例学習会テキスト
※このPDFは、2009年度に独立行政法人福祉医療機構(高齢者・障害者福祉基金)の助成により作成した冊子をもとにしています
でこぼこの宝物
障害者差別事例集
人生を変える 社会を変える 自立生活運動の歴史と役割
第1部「自立生活運動の歴史」(29分45秒)
保護や哀れみの対象であり、施設や親元でしか生きられなかった障害者が、地域で自立生活をすることで切り開いてきた障害者の制度と暮らし。私たちが後世に残していかなければならないことは何か?今、忘れられつつある障害者運動の歴史を振り返るために。歴史を切り開いてきた障害者リーダーと、次世代の障害者運動を担う若手リーダーのインタビューを収録。
- ■脳性まひ児子殺し ~生きる権利を勝ち取る戦い~
- ■府中療育センター闘争 ~地域で生きる権利を求めて~
- ■川崎バス闘争 ~あの頃、バスに乗ることが戦いだった~
- ■優生保護法から母体保護法へ 北京女性会議での訴え
- ■交通アクセス行動からバリアフリー法制定へ
- ■支援費制度上限問題
- ■障害者の介助保障と介助者の生活保障を求めて
- ■次世代を担う私たちの役割
インタビュー収録:
- 新田勲(全国公的介護保障要求者組合
- 中西正司(ヒューマンケア協会)
- 安積遊歩(CILくにたち援助為センター)
- 三澤了(DPI(障害者インターナショナル)日本会議
- 横山晃久(自立生活センターHANDS世田谷)
- 平下耕三(自立生活夢宙センター)
第2部「人生を変える 社会を変える~自立生活センターの活動~」(16分34秒)
障害があっても自分が自分の人生の主役であるために。自立生活とはどんなに重度の障害があっても、全ての人がその人生において自ら決定することを最大限に尊重され、そのために起こる危険を冒す権利と決定したことに責任を負える人生の主体者であることを周りの人たちが認めていくこと、そして哀れみではなく福祉サービスの雇用者・消費者としてサポートを受けて生きていく権利を認めていくこと。自立生活センターは障害者の自立生活をサポートするために様々な活動を行っています。
- ■自立と自立生活の理念
- ■自立生活センターとは
- ■自立生活センターのサービス
- ■利用者から担い手へ
- ■広がる自立生活運動
著作:全国自立生活センター協議会
製作:NPO法人OurPlanet-TV
定価:5,000円 (加盟団体 4,500円)