Monthly Archives: 5月 2015

ネパール被災障害者支援0529

ネパール支援の現状ですが、現地入りされていた方からレポート、必要な支援内容等送っていただきました。

29日に当会の関係者が支援のためにネパール入りしますが、現地からの希望で、テントとブルーシート(現地ではいま購入ができない)、トイレ用品等を追加で持参します。

またゆめ風基金さんからのご紹介でNepal Spinal Cord Injury Sports Associationと連携し手動車いすの支援をすることになりました。(上記の団体ではすでに今回の地震で脊髄損傷者になった50人のウェイティングリストがあるそうです。)

引き続き、皆様からのご支援をお願い申し上げます。

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今、障害者救援本部という名で動物園の前のサッカー場でキャンプ生活をしています。66人がキャンプ生活しており、その内訳は、車いすの障害者26人、それ以外の肢体障害者8人、視覚障害者6人、介助者8人、家族6人、こども12人です。この状況の中で、ほしいもの、必要なものを話し合いました。

1.障害者が使えるトイレ。

今は不安定な簡易トイレを使っているので、トランスファーも難しい。さらに汚物処理がきちんとできてないので汚くて臭くて使えない。女性たちは、特に大変。しっかりした障害者用簡易トイレとそれに必要なテントが一番ほしいもの。このままの生活を続ければ、大きなストレスになりそう。

2.テントとその環境(ベッド、ブルーシート、敷き布団マット、タオルケット)

66人が8張りのテントで生活している。1つのテントに8~10人の雑魚寝の状態。このテントは中国の赤十字からもらったもので、地面がむき出しの状態、雨の日は水が入ってくるので、テント内がじゅくじゅくになる。ベッドは各テントに一つずつしかないので、他の者は地べたで寝ている。防水のためにビニールシートが必要。また、夜、明け方は寒いので、タオルケットのようなかけ布団が必要。寝袋は障害者は使いにくい。また敷き布団もないので、スポンジの三つ折りの敷きマットのようなものが必要。ベッドはあるがマットがない状態の固い所に寝ているので、この生活を続ければじょくそうができそう。

3.食べ物(食事に関する環境)

食べ物の調達は2種類あって、

①障害者救援本部の活動を新聞やテレビで見た者が応援に持ってきてくれる。

②会社や団体にこちらから、「米を寄付してほしい。」という具合にお願いする。

今のところ、いろんなところからの支援があり、昨日も米100kgをある会社からもらったりしたので、備蓄分もあるが、このその日暮らしの生活は、いつまで続くかわからないので不安がある。66人もの人たちが生活しているので、1ヶ月後は、食料の支援が必要になるかもしれない。ガスコンロやプロパンガスはあるが、テーブルがないので車いすの者たちは、食事がとりにくい。しかし、テーブルで食事をすると見た目が贅沢な感じがして、「障害者は優雅やのう」と周りから思われそうで遠慮している。実際、食事を調理した後、皿を地べたに並べて、おかずやごはんをよそっている。どう考えてもテーブルがあれば便利なはずだ。

4.衛生面で濡れタオルやティッシュ

キャンプ生活なのでシャワーが浴びれない。半壊程度の家の場合は、シャワーは可能だが、余震を怖がって浴びようとしない。衛生面を考えても濡れタオルは必要だ。現地では調達しにくい。

5.その他

細かいことだが、ゴミ箱、紙オムツ(大人用)、カッパ(これから雨期に入る)おむつ、電灯なんかもあればかなり便利になると思う。

*すぐに必要そうなものを5つあげたが、現地で購入可能な物もある。ただし、1のトイレの環境に関しては、現地では調達不可能である。

ネパール被災障害者支援0520

ネパール被災障害者救援基金へのご協力をいただきありがとうございます。現在までの寄付金の受け取り状況をご報告いたします。
本日(5/20)までに2,239,098円(うち、ゆめ風基金からのご支援1,125,000円)をお預かりいたしました。皆様からのご協力に改めめまして御礼申し上げます。

現在までに、今回の震災で脊髄損傷になった障害者への車いす支援として150万円を支出しました。今後も当会では、現地の自立生活センターと協力して被災障害者支援に取り組んでまいります。

引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
■ネパール被災障害者救援基金受付口座についてのご案内

東北関東大震災救援本部は、2014年度末で活動を終了することとなっていますが基金の専用口座の開設手続きにはたいへん時間がかかるため、今回、救援本部の口座で「使途限定」で受け入れいたします。

(1)郵便振込の場合は
口座番号:00140-7-429771
口座名義:東北関東大震災障害者救援プロジェクト

*通信欄に「ネパール被災障害者救援基金」とお書きください。

(2)銀行振込の場合は
ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)支店
口座番号:(当)0429771
口座名義:東北関東大震災障害者救援プロジェクト

*お振込みの際は、「ネパール被災障害者救援基金」へのお振込みであることを
全国自立生活センター協議会までご一報ください。

ネパール被災障害者支援0507

2015年4月25日に起きたマグニチュード7.9の地震により、ネパールの多くの地域が深刻な被害を受けました。中でも、人口密度の高いカトゥマンドゥ、シンドゥパルチョック地区、ゴルカ地区、ヌワコット地区、ダディン地区、その他の人里離れた基礎的なインフラや救援が行き届いていない地域が、今回のとてつもない災害により最も深刻な被害を受けました。今回の地震は、今世紀で最悪の自然災害であると言われています。

最新の統計では、死者は7,557名にのぼり、重傷や閉じ込められてしまっている人たちの数も相当あります。最新の情報では、負傷者数は14,536名です。数え切れない人名が失われるとともに、人々は家を、コミュニティを、そして生計手段を失いました。最新のデータによりますと、16人以上の障害者が地震により亡くなっており、人里離れた地域での状況はまだわかっていません。200名以上の障害者が今回の地震により被害を受けたと言われています。障害のある両親が死去した後、残された子どもたちの状況は悲惨なものです。

損失は、いくらかは把握されていますが、まだわからないことが多く残されています。この壊滅的な地震により、人命、財産、動物などが甚大な被害を受けました。私たちの国と国民は、今回の災害の余波を生きながらえるためにも、ありとあらゆる支援を必要としています。障害者は、この地震の最初の被害者です。インフラや警備、支援、介助者、車いすが不足していることにより、数え切れない人命が未だに危機にさらされています。多くの場所で、未だに救援を待っている人たちが居ます。また被災者の状況は予想以上に深刻です。他の人たちと同様、障害者も家族とともに、開けた場所にテントを張って避難しています。ただ、テントの数が限られているため、夜や雨の日には劣悪な状態になっています。

ネパールには、車いす利用者が利用することのできるアクセス可能な公共のトイレ、アクセス可能な交通機関、インフラが一つもありません。市場の食料品の値段も高騰しています。食糧難になることを恐れ、自分たちのために備蓄しているためです。政府からの緊急支援資金も、全ての地域に十分に届いているとは言えません。同様に、多くの人が地震で負傷し、将来的に障害を持つことになるでしょう。また障害者の家の多くも損傷、全壊していることがわかっています。何人かの人はパニックになり、迅速な救援を必要としています。ホームレスになってしまった人たちもいます。未だに小さい余震が続いているため、損傷した家には怖くて入れない人も多くいます。

このような悲惨な状況において、CILカトゥマンドゥは既に何人かの被災者に対し、救援を開始しました。キッチンと、移動式トイレのスペースのついたテント5つが、ジャワラケルの国立動物園の前のサッカー場に設置されました。女性10名と、男性15名が家族、ボランティアとともにその救援キャンプで暮らしています。ネパールFNCCI、ネパール赤十字社、その他個人による支援を受けて、CILでは食料、毛布、ベッド、尿道カテーテル、医薬品、その他必需品を、被災者に対して供給しています。被災者は、始めの数日間、移動式トイレがなく苦労しました。動物園のトイレを利用していましたが、車いす利用者にアクセスできるものではありませんでした。強い財政的基盤がない中で、CILカトゥマンドゥは四苦八苦しましたが、とにかく一歩を踏み出しました。CILは、負傷して障害をもった人々のリハビリと、家族や愛する人、親戚などを失った障害者が震災後の心の闇から脱することを支援できるように、継続的な支援を必要としています。多くの関係者が、私たちの活動がもっとも脆弱な人々に取って意味があり、かつ裨益できていると気付いてくれています。CILカトゥマンドゥはネパール政府、国内、国際NGO、個人と調整して、救援のための支援を受けています。私たちは世界中の皆さんに対し、以下のような救援セットとリハビリに必要な資金の援助を呼びかけたいと思います。

1.救援セットとして、テント、食料、衛生用品、純水、シェルター、マットレス、洋服、移動式トイレ、車いす、医薬品など

2.CILは、被災地に仮設リハビリテーションセンターを設置し、医療サービス、理学療法、介助者サービスなどを提供するための資金が必要です。

3.CILは、被災地に障害者のための恒久的なリハビリテーションセンターを設立し、長期的にサービスを提供するための資金が必要です。

4.CILは、被災者が家や宿泊所の建設、家の補修をすることで復興し、将来像を描けるようになるための資金が必要です。

5.CILは、被災者に対し、彼らが自立してコミュニティの一員となるために、収入を確保するための活動、職業訓練、能力向上研修などを提供するための資金が必要です。

6.CILは、重度障害者に対する介助者サービス、ピアカウンセリング、アクセス可能なインフラの整備、アクセス可能な交通機関、福祉用具、自立のためのILPなどを実施するための資金が必要です。

7.CILは、国内・国際的な法律、法令、政令、ネパールの障害者によるプログラムについて、アドボカシー活動を実施するための資金が必要です。

8.CILは、ネパール政府と国際社会に対し、以下のことを強く要望します。
(a)福祉機器と技術、
(b)アクセシビリティ
(c)重度障害者に対する介助者サービス
(d)雇用義務、または社会保障(年金、手当、健康・生命保険等)
(e)地域における自立生活

ありがとうございます。
クリシュナ・ゴウタム
ネパール、自立生活センター・カトゥマンドゥ

ネパール被災障害者支援0501

現地よりレポートが届きましたので下記に掲載いたします。

国内、国外の仲間、支援者の皆様へ

2015年4月25日、ネパールでマグニチュード7.9の地震があり、多くの地域が被害に遭いました。人口の密集した首都カトマンズや、このようなとてつもない震災に対応できるような基本的なインフラや、救援物資の整っていない辺境地域も被災してています。ほぼこの百年で最悪の自然災害です。これを書いている現在も、死亡者数が4349名にのぼり、重傷を負った人やがれきの下敷きになった人がそこら中にあふれています。人々は、無数の命を失うとともに、家や地域、生活手段をも失いました。地震によって、世界遺産のダハラハラ塔やダーバー・スクエアといった重要な歴史的、文化的建造物も、ただのがれきの山と化してしまいました。
このような時こそ、私たちは国の違いを超えて、一致団結し災難に立ち向かうという態度を示すことが重要です。我が国、人々は、震災の影響を乗り切って生き延びることに支援を必要としています。インフラ、安全な場所、救援物資の不足のため、おびただしい数の人々が今も危機に瀕しておりますが、この状況を変えることはできます。たくさんの地域で救済が待たれており、被災者の状態は予想以上に厳しいものです。家族と同居している障害者は、空き地にテントを張って避難所を確保しています。しかし、テントの数が限られているので、夜間や雨が降れば状況は悪化します。ネパールには、車いすユーザーが使用できる公共のトイレは一つもありません。食料品は非常に高価で、政府からの救援物資も全ての地域に十分に届いていません。多くの人が地震でけがを負ったのと同様、多くの人が近い将来、障害を負うことでしょう。カトマンズで地震によって5人の障害者が亡くなったということがわかっています。彼らの子どもたちの状況を考えるとゾッとします。彼らのための支援も探しています。
このようなひどい状況の中で、CILカトマンズは世界中の仲間からの緊急の救援物資をお願いしています。物資の内容としては、テント、食料もしくは食料と避難所のための義援金、移動式トイレ、負傷者のための車いす、スロープ、ベッドシーツ、毛布、枕、シーツカバー、薬、衣服、そして障害者の子どもたちへの支援が必要です。

あなたの支援が必要です。ぜひ、この障害者や負傷者の救済、回復のための運動に参加して下さい。あなたの支援によって、障害者とその家族がこの不測の自然災害とその後の不安要素に立ち向かう強さを与えられ、大いに勇気づけられます。

ご支援いただける方は、いつでも私たちにご連絡ください。
障害者自立生活センター CILカトマンズ
事務局長 クリシュナ・ゴータム