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社会福祉法人グロー 北岡賢剛前理事長の判決
についてのJILとしての声明文

2024年12月23日

社会福祉法人グロー 北岡賢剛前理事長の判決
についてのJILとしての声明文

特定非営利活動法人 全国自立生活センター協議会
代表 平下耕三

 私たちは、どんな重度な障害があっても地域で当たり前に生活し、障害者権利条約の完全実施に向けて障害のある人とない人が分け隔てられることなく、誰もが差別されず、共に生きられる社会(インクルーシブな社会)を目指して活動する障害当事者団体です。全国110か所を超える障害当事者団体(自立生活センター)で構成しています。
 私たち全国自立生活センター協議会(以下JIL)は、2024年10月24日に東京地方裁判所で判決が下された社会福祉法人グローの北岡賢剛前理事長による性加害・ハラスメント行為について、北岡氏が関与する組織と連名で、政府等に対して共同要望を出すなどの行動を共にしてきた団体として、私たちは強い怒りと失望ともに、自身の責任も深く痛感しています。
 まず北岡氏に対しては本判決を受け、被害女性と真摯に向き合い、被害女性への謝罪と賠償を速やかに行うことを求めます。
他方、被害者への賠償額が被害の深刻さに比して不十分であることにも、私たちは失望せざるを得ません。
 この賠償額が、性加害や差別行為の深刻さを過小評価している現状は、日本社会の問題として解決が求められるべきです。
本件は重大な人権侵害です。障害者の福祉に携わる者が、権力を乱用して職員にハラスメントを行ったことは、決して許されるものではありません。本来であれば、裁判が起きたときに、JILとしても内部でもどう行動するか話し合われるべきでした。この点は人権擁護団体として不十分な対応であったと深く反省するとともに、その責任を真摯に受け止めます。また、判決が出された後もJILとしての声明文の公表までに相当の時間を要してしまったことは、多数の理事による合議体である組織構造上の問題でもあり、本件を教訓に今後の組織運営のあり方について十分に検討して改善していく所存です。
 被害女性が提訴し、裁判が進められる中、JILとしては判決が出るまで意見表明を控えてきましたが、私たちは障害がある人もない人も人権が尊重される社会を目指し、反省をもとにした具体的な行動を進めていかなければなりません。 被害者の方々の苦しみを真摯に受け止め、再発防止が徹底されるために、声を上げ続けていくとともに、問題を長期間放置してきた姿勢を深く反省し、迅速かつ積極的に対応する体制の整備を進めます。
 また、北岡氏が大きな影響力を持ち、社会福祉法人グローが事務局となり長年運営されてきたアメニティーフォーラムについて、自己反省の意味でも今年度JILとしての参加は見送り、来年度以降については十分な議論を重ね検討を行ってまいります。
 
今後、同様の事態を繰り返さないために以下を実施いたします。

1.対応の振り返り内部体制の強化
 過去の対応を振り返り、人権侵害の早期発見と防止に向けた内部体制を強化します。

2.啓発活動の充実
 性暴力やハラスメントの防止に関する委員会設置や研修を推進し、福祉現場における安全と平等の意識を高めます。

3.被害者支援の充実
 被害者の声を尊重し、支援体制の整備と改善に努めます。また、声を上げやすい環境づくりを推進します。

 

社会福祉法人グロー 北岡賢剛前理事長の判決
についてのJILとしての声明文

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