JILのビジョン

JILのビジョン (目指すもの)

私たちは、障害者権利条約の完全実施に向けて障害のある人とない人が分け隔てられることなく、誰もが差別されず、共に生きられる社会を目指します。

JILのミッション(取り組むもの)

  1. 脱施設化(地域移行の促進、新規入所・社会的入院の廃止)を図り、どんな重度の障害があっても地域で自立生活できる社会を実現します
  • 障害者権利条約19条の実現を目指し、どんな障害や病気があっても、どこで誰とどのように暮らすかは本人の意思を尊重します。
  • 24時間等の必要な介助サービスを、いつでも誰でも受けられるように、介助制度づくり、制度の改善、社会資源の開発に取り組みます。
  • 「施設」や「病院での長期療養」に反対し、尊厳死・出生前診断などの優生思想を許しません。障害者の生きる権利を生涯にわたって守ります。
  • 当事者主権を貫きつつ、理念を共有する健常者とともに運動を展開していきます。

 2.差別(区別・制限・排除)のない社会を実現します

  • 障害者を取り巻くあらゆる差別を許さず、平等な社会をつくります。
  • 複合差別に取り組み、障害をもつ女性の権利の回復に努めます。
  • 障害を理由に場を分けることのないインクルーシブ教育を目指して行動します。
  • 「交通・建物」、「情報」、「制度」、「意識」など、すべてのバリアをなくすよう取り組みます。

 3.多様性を認め合い、お互いを尊重しあえるインクルーシブ社会を実現します

  • 障害の有無や種別、性、年齢、門地、出身地、人種、民族、宗教、価値観などにより差別されず、さまざまな違いを認め合う社会をつくります。
  • そのために、まずは自分たちがロールモデルとなり、誰も排除されない助け合える組織をつくります。

 4.自立生活運動を全国各地、さらには世界へと広げていきます

  • ピア・カウンセリングや自立生活プログラム(ILP)等を活用し、仲間とともに人生を切り拓いていきます。
  • 多くの障害者をエンパワメントし社会を変えてきた自立生活運動の理念を、全国各地に広げていきます。
  • 自立生活運動の価値を世界中で共有し、国境を越えて互いに支え合える関係を築きます。

 5.地域による格差をなくします

  • 全国どこに住んでいても自立生活ができるように取り組みます。
  • すべての地域の課題を自分のこととしてとらえ、ともに解決していきます。

JIL の中期目標(2022・2023・2024年)

  1. 脱施設化(地域移行の促進、新規入所・社会的入院の廃止)を図り、どんな重度の障害があっても地域で自立生活できる社会を実現します
  • 障害者権利条約の完全実施をめざして、障害者基本法、障害者差別解消法、障害者虐待防止法、障害者総合支援法等関連法の見直しを推し進める。
  • 介護保険との統合を阻止し、介護保険対象者となっても、障害者権利条約を踏まえた介護保障を求め続ける。
  • 各市町村での本人のニーズに応じた介護保障(一日24時間以上等)を推し進めるとともに、重度訪問介護の対象をより一層拡大し、切れ目のないサービス(通勤、就労、修学、地域移行時の利用等)として発展させる。
  • 深刻な介助者不足に対応するとともに、ケアの質を担保できるようさまざまな方法を検討し、取り組んでいく。(意思決定支援、精神・知的障害者の地域生活に関する取り組み、医療的ケア、賃金保障、事業所運営等)
  • 障害者と健常者が協働して、自立生活運動の理念を実現したセンターを増やす。
  • 新規入所施設開設の阻止、現在ある各関係機関(入所施設、医療機関、教育機関等)と協議・連携し、地域移行を促進・地域定着を図っていく。

 2.差別(区別・制限・排除)のない社会を実現します

  • 優生思想に関わるさまざまな問題(強制不妊手術、出生前診断、尊厳死・安楽死、相模原障害者殺傷事件に象徴される障害者殺傷・虐待事件等)に対し、すぐにアクションを起こし、社会に訴えていく。
  • 共生社会の実現に向けて、インクルーシブ教育を推進する。
    • JIL加盟団体や他団体と連携しながら、学校の基礎的環境整備の推進を自治体に要望し、地域の学校から排除されない環境づくりを進める。
    • 障害当事者や共に学んだ友人・教員の声を集め、地域の学校に通うことを選択出来ることが当たり前であることを啓発する。
  • 各センターでの人権意識を高め、虐待や差別の事案に的確に反応できるようにする。そのため、各センターに権利擁護担当者を配置する。
  • 障害のある女性等への複合差別の問題に取り組み、差別撤廃に向けて活動する。
  • 差別のない環境整備の実現に向けて、全国でバリアフリー、ユニバーサルデザイン、情報アクセシビリティを推進する。

 3.多様性を認め合い、お互いを尊重しあえるインクルーシブ社会を実現します

  • 能力主義により誰も排除されることが無いように、障害種別や性別などを意識して、多様性のある組織づくりに取り組む。

 4.自立生活運動を全国各地、さらには世界へと広げていきます

  • リモートの特性も活かし、ピアカウンセリング、 自立生活プログラムを使ったエンパワメントの方法をより多くの人に伝え、より身近なものにする。
  • 自立生活運動の歴史と想いを世代間を超えて共有し、時代に合わせて発展させていくために、自立生活運動の歴史と役割のDVDをリニューアルする。
    ※DVD正式名称「人生を変える 社会を変える 自立生活運動の歴史と役割」
  • JILが関わってきた映画を活用し、自立生活運動の価値を社会に広める。
  • 自立生活センターを世界中に増やすためにWINを定着させ、各国の当事者リーダーが協力しあう。
    ※WIN・・・World Independent Living Center Network

 5.地域による格差をなくします

  • 地方で活動する自立生活センターに情報提供や交渉の支援を行う。
  • 本人のエンパワメントを基本としたセルフプランを原則としながらサポートするピアカウンセラーを増やし、本人のニーズを重視した相談支援が受けられるよう、地域の当事者相談員とピアサポーターを増やす。また、相談支援専門員研修、及び、ピアサポーター養成研修における当事者の関わりを確保すべく働きかける。 
  • 全国各地の自立生活センターが、近隣の他団体・個人を巻き込んで、地域格差の問題に取り組む。